Jリーグは15日、2022年度定時第1回社員総会および第2回臨時理事会後の会見を開催し、野々村芳和氏の新チェアマン就任を報告した。
2014年よりチェアマンを務めてきた村井満氏は、2022年3月15日をもって退任。明治安田生命保険とタイトルパートナー契約などを成し遂げたほか、新型コロナウイルス禍での対処にも尽力し、任期満了での退任となった。
■新チェアマンが抱負語る
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そして、後任には野々村新チェアマンが就任。Jリーガーとして活躍してきた経験や株式会社コンサドーレの代表取締役社長CEOとしての実績を誇る同氏は、「僕自身、日本サッカーに育ててもらいました」と感謝を伝えつつ決意を新たにした。
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「Jリーグにも30年育ててもらい、日本サッカーに育ててもらった一人の人間として、ここから責任をもって良い仕事をしたいと思いますので、皆様引き続きよろしくお願いします」
また、新たな理事・監事・特任理事の中には宮本恒靖氏(理事)、内田篤人氏(特任理事)、中村憲剛氏(特任理事)らの名前も。日本代表やJリーグで実績豊富なメンバーが多く名を連ねたが、この選任にも野々村氏の思いが込められている。
「僕がサッカー出身ということもありますし、役員選考委員会からももう一度フットボールに基軸を置いて事業を進めていくべきとの答申も受けながら、今日ここに集まってくれた新たなメンバーと一緒にJリーグをやっていこうということで、仲間になってもらいました。サッカー出身者が多いのは、Jリーグの選手だった人もかなりの数いますが、それだけ日本サッカーが一定期間の歴史を経て、彼らが日本のサッカーを引っ張っていくだけの人材が揃ってきたということだと思いますし、彼らにすごく期待したいと思います」
一方でビジネス面についても「色々な変化がある中でIT系の小泉さん(小泉文明/理事)なども含めて世の中の変化に敏感な人々にもジョインしてもらって、サッカーの現場もかなり進行が早く環境が変わることも多いので、その変化についていけるように彼らに助力を頂きたいと思います」と注力する意思を宣言。さらに、「社会連係ではJリーグクラブはどれだけ強くなっても地域と一緒に、より密な濃い関係を作れるかが重要」とも語っており、フットボール面、ビジネス面、地域連携に3本の軸を通す旨を伝えた。
■内田篤人、中村憲剛らが特任理事
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会見では、野々村氏を中心とした新体制の中で各理事・監事・特任理事も挨拶。ガンバ大阪での指導歴もある宮本氏は「Jリーグ自体は30年近く歴史を作ってきてその存在というものを示してきたと思いますが、もっともっと大きくならないと人々の生活の基本のところには入ってこないな、情報としては通りにくいなと。Jリーグに携わっているとJリーグがそばにありますが、そうではない場所に行くと…もっともっと近くに、より大きなものにならないといけないと感じました」と文化としてさらに定着していくことの必要性を訴えた。
また、内田氏もJリーグをより魅力的にすることへの意気込みを語っている。
「高校の先輩である野々村さんにお誘い頂きまして、ノーと言えずにここにきているわけではありません。僕が3歳か5歳くらいですかね、Jリーグが開幕してから今日までサッカーに携わって生活することができました。ドイツにも渡って素晴らしい環境でJリーグでプレーさせていただきました。もっとタフで美しく素敵なJリーグに少しでもできるように僕もこの仕事を全うさせていただきたいと思います。よろしくお願いします」
そして、現役時代には川崎フロンターレにすべてを捧げてきた中村氏は「僕が特任理事をやるということ自体、Jリーグの歴史を感じています」と感慨深さを噛みしめる。フットボール面と地域連携を発展させていくうえで、自身の経験への自信を示した。
「プロとしてピッチでパフォーマンスを突き詰めることと同じくらい、地域密着を熱心にやるクラブに所属していたおかげで、18年間の中で積み上げてきたものが間違いなくあります。それはJリーガーの可能性、そしてJリーグの可能性です。フットボールと地域貢献のところ、育ててもらった恩返しではないですけど、微力ながらJリーグ、日本サッカーの発展のために全力でやっていきたいと思います」
■村井氏からエール
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記者会見がスタートする前には村井氏も登壇。まずはこれまでの活動について「至らないことばかりで次から次へ問題がやって来てはバタバタとしていました。我々理事や関係者、職員だけで成し遂げられないことを、皆さんに助言していただいたり𠮟咤激励していただく中でクリアできたなと改めて思います」と振り返り、野々村氏へのエールを続けた。
「今後、野々村さんがJリーグを率いていきますけれども、経験も豊富で実績も十分、覚悟も十分、そして若さもあります。今日招集された理事の皆様も新たな可能性を秘めている方がたくさんおります」
なお、自身の今後については、まず1人のファンとしてサッカー観戦を楽しみにしているとのこと。29日には日本代表のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のベトナム代表戦が行われるが、村井氏はチケットの確保に四苦八苦しているようだ。
「私はスタジアムでも行って、サッカーを観戦する日々を楽しみにしております。今度のベトナム戦の代表のチケットが取れないで苦労していますが、Jリーグのクラブが満員で私がチケットが買えないくらい、そのような風景になってくれることを願っておりますので、今後ともよろしくお願いします。これまで大変お世話になりました。ありがとうございます」
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